グアテマラの旅

アティトラン湖

土曜の朝にサンペドロに着いた。まず暖かくて半袖で外を歩ける、湖は綺麗、人々はフレンドリー、日本人が経営している日本食レストランがある、物価安い、リラックスできるところがある。行きのチキンバスは土曜だからか混んでて、チキンバスの一列に3人詰められてきつかった。アティトラン湖は山に囲まれているので、日光のいろは坂並みの急勾配を下りていく。maps.meのホテル案内が間違ってて、ホテルに着くのに余計に歩いた。実に7週間ぶりに共有じゃないトイレとシャワー!キッチンがあったので久しぶりの自炊でパスタを作った後、散歩に出かけた。1時間くらい畔りに寝そべって現地の人が湖の水で洗濯をしたり、釣りをするのを見ていた。でも湖は不思議と綺麗なんだよな。

湖にはたくさんの村があって、サンペドロは湖の西側、つまり朝日がよく見えるので早起きして30分くらい歩いて見に行った。その後、近くの村を転々と歩いた。湖の周りはボートでの移動が発達していて、湖畔は入り組んでいるのでボートで移動した方が早いし安い。いろいろ村がある中で、サンマルコスという町に泊まる予定だったのだが、ヒッピーがたくさんいるスピリチュアルな感じのところだったのでやめて早めにアンティグアに向かった。湖はリラックスしたりスペイン語を勉強するのには素晴らしい環境だろう。

 

アンティグア

スペインコロニアル調の世界遺産の町。ここに着いた時、街並みが綺麗でゴミも全然落ちてなくて、僕は一瞬、ここは本当にグアテマラか、と思ってしまった。グアテマラでもこういうリッチな場所もあるんだな、と思う反面グアテマラはこんなんじゃないと思った。観光客がたくさん来てお金を落としているからにちがいない。ぶっちゃけ僕が10月に行ったオアハカの町に似ていた。僕はオアハカの方が好きだ。オアハカの方が周辺の観光地も充実してるし、人口もアンティグアの10倍以上あることからもわかるようにアンティグアには生活感がない。汚い部分を隠そうとしてるの?くらいに感じた。でも僕は町を隅々まで歩くのが好きなので一日中歩きまわっていた。アンティグアは小さい街なので1日あれば十分見て回れるかな。また、スペイン語のボキャブをやるためにカフェに立ち寄ったりもした。最後は飽きちゃったけどホステルから徒歩1分の中華料理店が良心的な値段で美味しかったのでよし。シェラにボランティアで来てたカナダ人がアンティグアのことをGringo Landと呼んでいたけど僕は気にならなかった。でも僕は思い出した、そういえば自分ここ数ヶ月交換留学で周りほぼ白人の環境で暮らしてるから気にならないんだ、って。日本人がグアテマラにいきなり語学留学に来たら街並みは可愛いしはまるかもな。僕は昼のアンティグアより夜の方が好きだった。夜はあまり歩かないようにはしてるけど。

また、ホステルのロシア人Tania夫妻には感謝をしたい。まずめちゃめちゃ優しくて、屋上の眺めめちゃいいし、良心的な値段だし、キッチンなんでも揃ってるし、いろんなところへのツアーも最安値で電話一本でやってくれて、Katalinaが言っていたように本当に家みたいだった。本当の優しさを感じた。ここはGoogle Mapにも載ってないし、何ヶ月も住んでるような訳あり(?)グアテマラ人ばっかだけどそれは全てTania夫妻の優しさで成り立っている。みんなニコニコしてかなり積極的にスペイン語で話しかけてくる。本当は別の日本人宿に泊まるのを割と楽しみにしていたけどけど、ここに泊まって本当に良かった、と初めて思えたホステルだった。

 

アカテナンゴ

グアテマラで出会う旅人みんなにここのハイクはめっちゃいい!と聞いていたので行くことにした。アカテナンゴへの登山はその隣にある活火山フエゴ火山を見る2日間のトレッキングツアーだ。日本には桜島など活火山は幾つかあるし、噴火するところも見たことがあったのでいいかな、とは思っていたけれど湖を早く切り上げたので時間があり行ってみることにした。250ケツァールで全部込みということもあり、参加を決めた。まず、ご飯と手袋とジャンバーが支給された。僕は防寒具は旅に持ってきていなかったのでありがたかった。参加者は若者ばかりでみんな20代前半から30代前半くらいだった。倍くらいお金を払うツアーの方に割と年配の方が多いっぽかった。倍払っても自分で登らなきゃいけないし、せいぜい食事が豪華なこと、ガイドの人数が多いことくらいしか変わらないはず。僕ら合計20人くらいに対し、ガイドさんは3人しかいなかったけど気にならなかった。

僕はこのグアテマラで以前2つの山に登ったことがあり、2つとも比較的きつかったのに対して、今回は参加者が多かったのでペースはゆっくりで楽だった。食事は十分支給されたし、夜ご飯の後には、ココア、マシュマロ、ワインももらえた。テントも予想してたのと全然違って大きい家みたいなので床もしっかりしていたので楽に寝れた。何よりフエゴ火山が目の前で、30分に一回くらい大きな爆発があるのだが、真っ赤な溶岩が流れ出すのがすごかった。寝ている間にも爆発の音がたまに聞こえてそのたびに目が覚めた。朝は4時に起きて、標高3973mの頂上まで登った。テントの場所は標高約3600mだが、頂上は遮るものもなく、めちゃめちゃ寒かった。ここで朝日を見たのだが、めちゃ寒い上に朝日が出るのはフエゴ火山と反対側の東の方角からだったので、どっちを見て良いかわからんかった。これで僕はグアテマラで1、2、4番目に高い山全部に登ったことになる。ハイキングはしばらくいいかな。

僕がお金を払ってハイキングをするってことはなかなかないと思うんだが、生で溶岩が見れて良かった。でもオーストリア人のカップルが言ってたのはちょっと大げさだったかな。ハードルを上げすぎるとそれを超えるのは難しいわけで。でも行って良かった。

 

グアテマラシティ

ここは見るところないし治安悪いから飛ばした方が方がいいよと多くの人に言われた。でも僕は法学部政治学科だ。僕の旅のスタイルは安く旅するということ以外に、首都は絶対に見たいというこだわりがある。だって東京に住んでるし自分が7週間もいた国の首都少しは見たいじゃん。この首都を見るこだわりはこれからも忘れずにいきたい。ほとんどのグアテマラ人は実際にグアテマラシティで危ない思いを経験したことがないに違いない。確かに犯罪に遭う確率は高いんだろうけど、戦争地帯というわけではないし、人々の暮らしがそこにはあるはずだ、と思って僕は通称Guateに向かった。

結果的に言うと僕はこの街が好きだった。街の中心に大きな道路が一本通っていて主要なものは全部この周辺にあるようだ。アンティグアからのシャトルだったので、まずは市の南部にある空港で人を降ろして中心地に向かっていく。Zona10, Zona9, Zona4と順番に周り、僕は運転手にGuateって危ない?どこが危ないの?と質問をしていると目的地Zona1の南部に到着した。運転手にはZona1の北側の治安は観光地だから大丈夫だけど、僕が降りる南側はbuena suerteと言われた。だから僕はビクビクしてネックウォーマーで自分が外国人だとわからないように顔を隠し、たまに後ろから誰か迫ってきていないか後ろを振り返りながら最初の目的地である鉄道博物館に向かったのだが、なるほど確かにおしゃれなレストランが並んでいた近代的なZona4とは違い、人々が普通に仕事したり生活したりしている地域だった。でも特に問題はなさそうだった。最初はビクビクして移動にMetroBusを使っていたのだが、なんせGuateは人口200万の中米一の都市で交通渋滞が激しい。なんなら歩いた方が早いのではないか、また治安も大丈夫そうに見えたので途中からはすべて歩きにした。Zona2は閑静な住宅街で、街を南北に貫く大通りの終点のところに公園が作ってあって、子供達も普通に遊んでいて、世界でも有数の危ない都市なのか、と思うほどであった。

この1日観光のハイライトはグアテマラの国会に入って説明を受けることができたことだ。政府の主要施設が揃っているZona1で僕は国会の前に到着するとガードマンが中に入れといってきたので中に入ると、歴代の大統領の写真が載っている応接間みたいなところに案内され、気がついたら国会で社会科見学の中学生と一緒に説明を受けていた。最後にCongress of Guatemalaと書いた前で写真も撮ってもらい満足だった。

ただ、店3,4軒おきに警察官が銃を持って立っていたことから、この街はこれらの警察官の仕事によって平和に保たれているのだとわかった。また、昼は大丈夫でも夜は街が豹変すると聞いたこともあり、日が暮れる前にはバスターミナルに戻った。僕のバス停まで人通りの多いSexta Avenidaから4ブロックくらいだったが、最後は空が暗くなり始めたので小走りだった。帰る時に、なるほどここを歩いていたらちょっと危ないかもなと思った。見所は少ないけど、行って本当に良かった。

 

フローレス

最後にして僕が1番好きな場所。ここはティカール遺跡やその他の遺跡ツアーの拠点となる街である。本当はつい数十年前に発見されたEl Miradorという遺跡に行きたかったのだが、ヘリまたは徒歩以外の交通手段がなくハイキングツアーは五日間かかること、もうハイキングはやりすぎていたことから断念した。行った人の話によると、ジャガーの足跡やサルが密林の中を移動しているのを間近で見れるらしい。1日目、世界遺産のティカール遺跡に訪れた。往復のバス代、入場料高すぎ。これまでメキシコシティティオティワカン、オアハカモンテ・アルバンと見てきたが、遺跡はやっぱ遺跡や。

それよりもこのフローレスを僕は気にいった。フローレス島は徒歩10分で島を一周できるような小さな島で、なぜここが観光の中心になっているのか理由はよくわからなかった。また、フローレスと本土をつなぐ橋を渡るのが個人的に好きだった。この橋の真ん中の中州には安くてうまいストリートフードを販売していた。本土にはローカルなマーケットやショッピングモールがあり、僕はモールの映画館でBad Boysの映画を観た。また、アティトラン湖は風が強く、波が高かったのと比べ、ここの水はいつも穏やかだった。たまたま泊まったホステルには屋上があって、島の西側だったので綺麗な夕日を拝

むことができた。小さな場所なのに歩くたびに新たな発見があった。

島の北側から船で3分のSan Miguelに行くと、水のきれいな海岸があって、僕はここで泳いだり、少し歩くと展望台があるので登ったり、ここから徒歩で1時間の動物園に行ったりした。この動物園が結構すごくて、道にイノシシが普通に歩いてて、遊泳もできるし、ハンモックが置いてあって寝れるし、人少ないし、ジップラインできるし、ジャガーや常に鬼ごっこしているサルを見ることができた。動物園には小さな島もあり、吊橋で渡る。

 

今回行かなかったセムク・チャンペイ、リビングストンの二カ所はそれぞれ似たようなところに行ったことがあった、ルートが違ったという理由で行かなかった。わざわざ行こうとも思わなかったので特に後悔はしていない。たったの1週間半しか旅していないが、楽しかった。冬休みも残り2週間を切った。

 

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Zoologico Petencito